感性というものについて、考えている。
私の感性がだんだん鈍くなっている。危機感がある。いや、やっぱり、そんな危機感はない。「全然使えない新人」から「たいして使えない若手」になり、現実で生き、生活も低空飛行で安定してきた。すると、心の奥底の少年まんじろうが「感性が死んでないか?」という声がする。大人のまんじろうは「お腹がすいた。」と答える。
全盛期のみずみずしい感性のピークは過ぎたのではないか?
自分の感性を磨こう。といっても、どうしよう。新しく枝葉をつけるよりも、過去の内側の自分を研磨して輝かせるイメージで何か策はないだろうか。
そんなことをぼんやり考えていたら、気絶して1年が経過した。
まず、やってみたのは、「季節のデザートを食べる」であった。
今年の6月に、カクヨムの短歌・俳句コンテストが行われた。上記の記事はその選者の先生のインタビューであり、その記事の中で、
「俳句の生徒さんにもよく言うんですが、デパ地下にはだいたい和菓子屋さんが入っています。必ず季節の和菓子が出ていますので、それを注意深く見る。見るだけだとあんまりおもしろくないので、苦手じゃない方は購入して食べていただくと、俳句を作る以外の楽しみにもなりますし。老舗のデパートは特に季節感を重視していることが多いので、子どもの日が近づくと武者人形を飾ったりだとか、夏になると立派な風鈴とかがおいてありますので、それも眺めたりして。購入できるものは少なくても、見て回って楽しんでもらえたらと」
と答えていたのを読み、試してみた。
しかし、デパ地下かぁ〜〜〜〜〜。近くにない。なんならデパ地下どころか、デパートも無い。来年には県内唯一の高島屋が閉店する始末である。
うーん、どうしようもない。
ということで、代替案としてシャトレーゼに行くことにした。たまたま車で行けるところにシャトレーゼがあったし、まだ行ったことがあったから、そんなに緊張しないだろう。実際には、1回目の入店はやけに緊張したのだが。
ぶっちゃけ、ただただ甘いものを食ってるだけなんだけど、効果はあった。
季節感を感じるために季節限定を食べることにした。これが結構大きかった。
今まで、わたしは食の冒険はしない正確で、ずっと同じメニュー、同じ味をたべていた。周りから「飽きないのか?」と聞かれても、全然飽きないし、おやつやデザートは、先に味を決めていた。食べる前からこれにすると決めて、口の中をその味に向けて、実際にそれを食う。例えば、ハイチュウならぶどう。じゃがりこならサラダ一択で、ポップコーンは醤油バターのマイクポップコーンで、ケーキはチョコかティラミスしか食べないときめていた。つまり、安定していたのだ。食べた後の効用が決まっていたのである。賢く言えば、現代的な経済学における定数化した需要(詭弁である)。
であるため、シャトレーゼに行ってもチョコケーキかティラミスしか食べてなかったんだな。
ここに気づいて、「いざ! 季節限定!」とメニューの文字を追いかけると、不思議なことに「世の中ってこんなデザートとか果物があるんだねぇ〜〜」という気持ちになった。
食べてみると、結構美味しい。しかも、味だけじゃなくて「季節感」の情報も食ってる気がするし、「作家感」も食えてる。一粒で3回美味い。以下たべたもののしゃしんをしめす。
結果、上々な気分にはなった。俳句・短歌コンテストは入選しなかった。
これで、俺の感性は復活しているのか、分からない。
季節感は、前よりも感じられるようになった気がする……!!
みんなもやってみよう。