あの人 続き
あの人に連絡をとることにした。
本当に取るべきか、取った後どうするのか、よく分からなかった。
それはコロナだから元々頭に思い描いていたことと違うこともあり、会えるのかわからなかった。
会いたかったのか会いたくなかったのかもよくわからない。
これが3月の始め。
そこから返信が来て、二ヶ月。1000字を超える文章を書くというのは、まるでポエムを綴ったラブレターか、読書感想文のようだった。慎重に誤解のないように言葉を重ねてバトンを渡し合った。
会いたいかどうかわからないけれど、連絡をとったら会いたくなったことを伝えたものの、コロナということで約束はまだ叶わず。
ということで、
今日、オンラインで話をした。
一年以上ぶりにお目見えした可愛らしいその人は、割とそのままな感じで、画面に映る自分も割とまぁまぁの感じだった。
今までの話をして、思っていることを話した。
会話にはいろんな種類があるけれど、あの人と話す会話は、自分の気持ちを矯めつ眇めつしながら、良いと思うことや悪いと思うことをなるべく言葉にする会話である。
それはとても楽しいんだけど、結構考えるので疲れたのかもしれない。
「面白いことを言わなくても良い」という枷が外れているのも大きいし、「何を言っても茶化したりしない」こともわかってるのも大きい。前者に関しては、別に誰にも強制されてなくて、自分の立ち振る舞いなんだけど。
ハリネズミのハリを出さなくても良い会話というものは、それはそれは楽しかった。
俺の持つ小さな優しさや繊細さをよしよし(概念的なもの、性格を評価してくれること)してくれる方は、多分その人と母さんぐらいしかいない。いや。母さんも怪しい。
念入りにヨシヨシしてもらった気もするし、可愛がってもらった気もする。
自分としても、今までの感謝を伝えることができた。なかなか言葉にできなかったことをちゃんと言葉にできたのは良かったのかもしれない。
また会える日を見てとりあえず会話は終了した。4時間経っていた。昼ごはんは抜いてしまったけど、何も食べないまま動けてしまいそうだった。
そのためですね、何が言いたいかというと、頗る機嫌がいいということです。ええ、はい。
気分が高揚してしまって、深夜の3時になっても目が冴えてしまいました。
それと、別に不倫とか不貞とか、そういうのではないです。いや、それもそれで……?