灰じょんのブログ

灰じょんが10代の記念にブログを書きました。すでに20歳を超えたので、今は思ったことを書いてます。何卒よろしくお願いします。

読書の感想と自分語り。カート・ヴォネガット『はい、チーズ』

就活から逃げている現在。勉強したり、面接の練習したりしなくてはならないが、やれば遅いことに気づくだけである。それが嫌で、余計に先送りを繰り返している。


処刑台に立つ気分だ。遠くから暗い気持ちが湧き上がりながら、どこから何とかなるんじゃないかと、現実から目が向いてないのが今である。


悲しい話であるが、現実。



そんな今の私が逃げるように読書をしている。


嬉しい話でもないが、現実から逃げている時に読む本が一番面白い。逃避している時の読書体験は危険な旨みがある。


テストの前や大学受験の前や大学の試験の前。絶望が本を面白くすると考えてしまうほど。


カート・ヴォネガットの「はい、チーズ」を読んだ。

何だかんだ良い作家というイメージがあり、名前くらいなら知ってたけど、作品読んだの初めてだった。

………。おもしりかった。


ここで、ブログを読んでる型にヴォネガットの説明をすべきかもしれない。しかし、割愛する。

ブログを読んでる人間もどうせ友達だし、そもそも私がそこまで詳しく説明できない。

「昔いたすげーアメリカ人作家」ぐらいで良いと思う。私もそんな人居るんだなってだけで本読んでるし。

例えるなら……誰だろうか……「布施明」ぐらいかな。あまりピンと来ないけどすごかった人。もちろん今触れてもすごさレベルの高い人だ。



短編の感想を少し。

「ハロー、レッド」良いなぁ、と書いた途端に、他の作品も脳裏に浮かんでくる。やっぱりどれを含めて良いって感じだった。

ヴォネガットワールドはクセになる。短編にするにはもったいないレベルの純度の高さと内容の濃さ。それでいて邪魔なものもないし、読みにくさもない。すこだ、この言葉しかない。すこすこのすこやで。




読んだことのある作品は『国のない男』だけ。この本はヴォネガットが生前最後に出したエッセイ集だ。作家のエッセイ集を最初に読むのも珍しいし、ヴォネガットの名前すら知らなかった。



いつ読んだか? 確か高校三年の秋、受験勉強が近い最中、図書館の中で歩き回ってた時にたまたま目に付いたのがきっかけだった気がする。



図書館にいたのは、勉強するためであった。その図書館はまさに出来たばかりで、綺麗で知的な図書館だった。そこにいれば賢くなれると思っていた。




それから三年が経ち、初めてヴォネガットさんの作品を読んだ。

なぜ読んだのか? それは図書館で見かけたから。おー、ヴォネガットじゃないか、そういえば読んだことないなぁ、久しぶりに読むかー、って感じだ。

(あと、小説投稿サイトカクヨム→柞刈湯葉→この前でた短編集『NOVA』(めちゃくちゃおもしり)→大森望大森望ってどなた? からでもヴォネガットに辿り着ける)

いじょう、自分語りでした。





私は若いので、ヴォネガットを読んだだけでも「俺もヴォネガットになれる」と思い込んでしまう。いつかは己の限界を知り、無知を恥じるかもしれない。

しかし、もう一人の私がいう。

「それで良い。君はヴォネガットになれない」

「でも分からない、だから前向きでいい。それしか君にはないのだから」



こんな感じに。